平成28年度 札幌南三条病院 病院指標

当院では、胸に開けた小さな穴に胸腔鏡を用いて、病気の部分を切除したり縫合する胸腔鏡手術を積極的に導入しております。
呼吸器外科で最も多いのは、肺がんの手術症例です。これは従来の開胸手術に比べて比較的小さな創で行える手術のため、創の痛みや大きさ、体へ負担が少なくて回復も早く、入院期間が短くなります。当院では全国平均より平均在院日数が5.37日短くなっております。
3番目に多い症例は、1番目の肺癌手術と比較すると、部分切除など比較的切除範囲の小さい手術や、輸血を行う症例になります。こちらも胸腔鏡手術を使用することが多く、全国平均より平均在院日数が3.20日短くなっております。
2番目と4番目に多い症例は、気胸という胸膜に穴が開いて呼吸が苦しくなる病気の症例です。
2番目の症例は手術を行った症例、4番目の症例は保存的加療(手術をせず、ドレーンを入れたり自然治癒するのを待つ治療)を行った症例です。どちらも全国平均と比べて平均在院日数が同じくらいとなっています。

呼吸器内科の多い症例は、肺癌の化学療法です。
使用する薬剤によって在院日数は変わりますが、全国平均よりも短い傾向です。
最も多い症例は、アバスチンという抗癌剤を使用した肺癌の化学療法となり、平均在院日数は9.77日となります。
2番目に多い症例は、特定の抗癌剤(アバスチン、カルボプラチンとパクリタキセル、アリムタ等)以外を使用した肺癌の化学療法になります。平均在院日数は、11.02日で全国平均と比べ1.33日短くなっています。集計方式の関係上、一部の抗癌剤(オプジーボ、キイトルーダ、タグリッソ錠)が除外されており、その合計が164件あります。
3番目の気管支鏡検査は、癌かどうかを判別したり、がんの組織を調べたりするときに行います。当院では1泊2日の入院で行うことが多いです。
4番目に多い症例は、カルボプラチンとパクリタキセルという抗癌剤を使用した肺癌の化学療法です。平均在院日数は13.51日で、全国平均と比べ5.73日短く、上位5位の中で最も差が大きいです。
5番目に多い症例は、アリムタという抗癌剤を使用した肺癌の化学療法です。平均在院日数は9.43日で、この化学療法も全国平均より短くなっています。
また、上位5位の平均年齢も『年齢階級別退院患者数』で示した通り、患者数が多い60歳~70歳代となっています。

1番目、3番目は肺癌に対して行われる胸腔鏡下手術で、1番目が肺葉、3番目が部分切除です。
4番目も肺癌に対して行われる手術ですが、こちらは開胸手術となり、肺葉の切除術です。
これらの手術はがんの進行度や患者様の状態によって決定しております。
2番目は主に気胸に対して行われる胸腔鏡下手術で、平均年齢は他の手術と比較すると若い傾向にあります。

10症例未満の症例は-(ハイフン)を使用しています。
抗がん剤の持続投与が必要な場合などに、血管内に薬剤を注入するための機器を皮膚の下に埋め込む手術になります。
この手術を使うと、末梢血管のルート確保が困難な場合、何度も針を刺して苦痛が伴うことを避けることができます。
診療科は呼吸器内科ですが、手術は呼吸器外科の医師が行います。
手術後、すぐに化学療法を行っているため、平均術後日数が13.54日と長くなっております。
平均術前日数も、治療を行ってから手術を行う場合があり、6.54日と長めになっております。