Q:01 PET検査による痛みや不快感はありますか?
A:静脈注射し、検査機器のベッドに横になるだけですので、注射時以外の痛み、不快感はありません。
Q:02 検査にかかる時間はどれくらいですか?
A:来院から終了までの目安ですが、PETコースで約2.5時間、日帰りドックにオプションで追加した場合でおよそ6時間半です。
Q:03 PET検査は役に立ちますか?
A:すでに実施している施設では受診者の1〜2%、つまり100人に1〜2人の割合でがんが発見されています。これは従来の検査の10倍〜50倍の多さです。
Q:04 PET検査で全身のがんがわかりますか?
A:PET検査では大腸がん、肺がん、乳がんなど多くのがんを検出しますが、脳、腎臓、尿管、膀胱」など苦手な臓器もあり完全ではありません。
そのため他の検査(血液検査、CT、MRI、超音波検査など)の情報も必要となります。
Q:05 転移したがんもわかりますか?
A:PET検査はがんの転移を発見するのにも大変役に立ちます。
転移の有無によって治療方法が大きく変わりますので、事前に転移の確認をすることは治療方針を決定する上で非常に重要です。また治療後の経過観察にも有用といえます。
Q:06 PET検査でわかるのはがんだけですか?
A:検査に使用する薬剤(FDG)は炎症や良性腫瘍にも反応します。
本当にがんなのかどうかは他の画像などを参考にしますが、それでも区別がつかないときは細胞診(細胞の一部をとって調べる)が必要な場合もあります。
Q:07 PET検査は誰でも受けることができますか?
A:FDG(疑似ブドウ糖)を使用する検査の為、空腹時血糖が150以上の場合はお申し出ください。糖尿病、高血圧の方は空腹時血糖を150前後までコントロールして頂きます。また、検査当日の空腹時血糖が180以上の場合、検査を中止する場合もありますのでご了承ください。
Q:08 PET/CT検査はPET検査と何が違いますか?
A:PET検査は細胞の活動を見る検査ですが、それと同時にCTを撮ることによって、PET検査単体では得られなかった形の情報を得ることができます。この情報をPET検査の情報と重ね合わせることにより、病気の性質や位置をより高い精度で診断することができます。PET検査と同じく、ほぼ全身を調べることが可能です。
Q:09 PET/CT検査のCTと通常のCTは同じですか?
A:PET/CT検査のCTは、あくまでもPET検査の精度を高めるために撮影するものであり、PET画像と重ねるのにちょうどいい撮影方法を使います。したがって、CT画像であること自体は同じですが、できあがってくる検査画像は通常のCT画像とは異なります(特に、肺の見え方は大きく違います)。また、被ばくをできるだけ抑えるために弱い放射線を使うため、CT検査単体での検査精度は通常のCT検査ほどは高くありません。
Q:10 PET/CTで造影CT検査を行うことは可能ですか?
A:近年、PET/CTで造影CTを撮っても画像的には問題がないことが分かったため、造影剤を使ってPET/CTを撮影する施設も出てきています。ただ、PET/CTではPETとCTで体の位置がズレないことが非常に重要です。万が一、造影剤の副作用への対応の際、体を動かさざるを得なかった場合、最悪では検査自体が続行不能になってしまいます。また、上の項目で書いた「通常のCTとの違い」は、造影剤を使った場合も変わりません。したがって、当院では確実性を重視し、現在のところPET/CT検査では造影は行わず、造影が必要な場合は改めて通常の造影CT検査を行います。
Q:11 PET/CT検査は長い時間がかかるのですか?
A:撮影時間自体は今までのPET検査より多少短くなりますが、注射から撮影までの待ち時間(検査の薬が全身に行き渡るまでの時間)は通常のPET検査と同じだけ必要なので、検査全体の時間はあまり変わりません。
Q:12 PET/CTでのCT撮影はどのくらい時間がかかりますか?
A:CTの撮影時間は2〜3分です。PETの撮影と連続して同じ機械で行いますので、患者さんには動かずにそのまま寝ていていただきます。
Q:13 CT検査は複数の部位を同時に撮影できますか?
A:PET/CT検査ではPETで撮影する全範囲のCTを撮影します。したがって、一般的なPET/CT検査では頭から大腿の途中までを撮影しますので、CTも同じ範囲を撮影ことになります。必要があると判断されれば、さらに下肢の撮影を行うこともあります。
Q:14 PET/CTによる被ばくの影響はありませんか?
A:PET検査のみの放射線被ばく線量は約2mSv、PET/CT検査の被ばく線量は約10mSvと、PET/CTの被ばくはPETよりも多いですが、この程度の放射線被ばくは人体にほとんど影響しません。無用な被ばくは避ける必要がありますが、検査そのもののリスクよりも検査で得られる情報による利益(病気のリスクの低減)の方が大きい場合にのみ検査を行うものとご理解ください。なお、PET/CT検査での被ばくの多くはCTによるものですが、当院のPET/CT装置では、CTの被ばくを下げるための最新のソフトウェアを組み込んでおり、PET/CT検査としては少ない被ばく量を実現しています。
また、人間ドックでPET検査を行う場合に、被ばくの少ない通常のPETを行うのが適切か、診断精度の高いPET/CTを行うのが適切かは、議論の分かれる部分です。ただ、癌検診におけるPET検査の最大の利点である「全身を一度に調べられる」という特徴は通常のPETにもあるので、当院の人間ドックでは被ばくの少ない通常のPET検査を基本としています(今後、当院での人間ドックにPET/CTを使ったコースを設けるかどうかは未定です)。
Q:15 PET/CT検査には健康保険が適用されますか?
A:PET/CT検査の健康保険適用範囲は、早期胃癌を除く悪性腫瘍と、難治性部分てんかんに限られており、これ以外の病気に対する検査や人間ドックでは健康保険は適用されません。なお、てんかんの診断は非常に専門性が高いため、当院ではてんかんに対するPET/CT検査は基本的に行っていません。
Q:16 検査の金額はどれくらいですか?
A:健康保険3割負担で約3万円、1割負担で約1万円です(核医学診断料などの諸費用を含む)。
Q:17 もし異常があった場合どうしたら良いですか?
A:PET検査に限らず、異常が認められ、さらに詳しい検査や治療の必要がある場合は、当院で対応いたします。専門外については専門医療機関をご紹介いたします。